イロハの合言葉『カッコウは--』とは?元ネタを読み解く
この記事には、ブルーアーカイブ、メインストーリーゲヘナ編のストーリーネタバレを含みます。
ブルーアーカイブ、メインストーリーゲヘナ編、2章15話にて、こんなやり取りがありました。
??? カッコウは---
イロハ 巣の上へ飛んでいく。
一見、なんてことのない合言葉のやり取りに見えますが、実はこれには、かなり分かりやすいモチーフがあります。 今回は、この合言葉について深掘りしていきます。
「カッコウは、巣の上へ飛んでいく」の元ネタ
この合言葉の元ネタは、ケン・キージーの小説『カッコーの巣の上で』(One Flew Over the Cuckoo's Nest)でしょう。 1962年に発表されたアメリカの小説で、1975年にはジャック・ニコルソン主演で映画化されています。
原題をそのまま訳すと、だいたい「カッコーの巣の上を、一羽が飛んでいった」という意味。
??? カッコウは---
イロハ 巣の上へ飛んでいく。
というやり取りと、かなり近い言葉になっています。


『カッコーの巣の上で』というタイトル自体は、英語圏に伝わる子どもの数え歌に由来します。
元歌は、意味のない言葉や韻を交えながらリズムを楽しむ昔のわらべ歌で、遊びで誰かを選ぶ「数え歌」としても使われていました。 日本でいう「ずいずいずっころばし」のような、意味よりも音やリズムが印象に残る歌をイメージすると近いでしょうか。
その中にある「一羽は東へ、一羽は西へ、もう一羽はカッコーの巣の上へ飛んでいった」という一節を、ケン・キージーが小説の題名に使っています。
なぜ反逆メンバーの合言葉なのか?
ここまでなら、単純な映画・小説タイトルのパロディにも見えます。 ただ、『カッコーの巣の上で』がどういう作品なのかを考えると、この場面で使われた理由も見えてきます。
この作品は、精神科病棟を舞台に、強い管理体制へ反抗し、自分たちの意思や尊厳を取り戻そうとする人々を描いた物語です。 つまり、かなり大ざっぱに言えば、「支配に抗い、自分の意思を取り戻す物語」です。
ゲヘナ編のストーリーを読んだ方ならわかると思いますが、これは、イロハたちが置かれた状況と重なる部分が多いですね。 だからこそ、反逆メンバーたちが集まるアジトの入口で『カッコーの巣の上で』を合言葉に使っているのは、単なる映画ネタ以上の演出に見えてきますね。
まとめ:この合言葉、イロハが考えた?
ゲヘナ編で登場した、
??? カッコウは---
イロハ 巣の上へ飛んでいく。
という合言葉の元ネタは、おそらくケン・キージーの『カッコーの巣の上で』。 そして原作のテーマまで考えると、雷帝の支配に抗う反逆メンバーたちの合言葉として、かなり意味深な選択です。
では、誰がこんな合言葉を考えたのでしょうか。
作中では、合言葉を決めた人物までは明かされていません。 この場面で合言葉に答えていたのはイロハ。 そしてイロハといえば読書家。
もし、この合言葉の選定にイロハが関わっていたのだとすれば、「支配に抵抗する秘密基地の合言葉に、『カッコーの巣の上で』を選ぶ」という、なかなか彼女らしい文学ネタだったのかもしれませんね。
参考資料
- Ken Kesey『One Flew Over the Cuckoo's Nest』
- Penguin Random House - One Flew Over the Cuckoo's Nest