通常・水着キサキのPUガチャ名元ネタ|『荘子』と『春秋左氏伝』
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ブルーアーカイブ、キサキのピックアップ募集名は、通常版も水着版も、中国古典を意識した名前になっています。
- 通常キサキ:黒君は遠き慮り有りて
- 水着キサキ:淡きこと水のごとし
どちらも少し難しい言葉ですが、元ネタ候補を見ていくと、キサキというキャラクターにかなり合ったタイトルになっています。
今回は、キサキの2つのピックアップ募集名について整理していきます。
水着キサキ:「淡きこと水のごとし」
まずは、水着キサキのピックアップ募集名。「淡きこと水のごとし」。
ぱっと見たとき、武田信玄で有名な「風林火山」を思い出した人も多いのではないでしょうか。
- 疾きこと風の如し
- 淡きこと水のごとし
文字のリズムはかなり近いです。
ただ、キサキの所属する山海経や、タイトルに出てくる「水」のイメージを考えると、もうひとつ有力な元ネタ候補があります。それが、中国古典『荘子』に出てくる言葉、「君子の交わりは淡きこと水のごとし」です。
『荘子』とは?
『荘子』は、中国の思想家・荘子に関わる古典です。老子と並んで、道家思想を代表する本として知られています。
ものすごくざっくり言えば、世間の価値観や肩書きに縛られすぎず、自然体で自由に生きることを説いた思想です。
荘子は人物名としては「そうし」、書物名としては「そうじ」と呼称されます。
今回の元ネタ候補である言葉の原文は、
- 君子之交淡若水、小人之交甘若醴
- 君子淡以親、小人甘以絶
君子の交わりは淡きこと水のごとし
小人の交わりは甘きこと醴(れい、あまざけ)のごとし
ここでいう 「君子」 は、単に身分が偉い人というより、徳があり、物事を広く見られる立派な人物のことです。逆に 「小人」 は、ただの一般人というより、目先の利害に流されやすい、器量の小さい人物という意味合いですね。
それを踏まえて、ざっくりと読み解くと、
- 優れた人同士の関係は、利害や打算がなく、水のようにさっぱりしているが、だからこそ長く続く。
- 利益で結ばれた関係は、最初は甘く濃密だがすぐ破綻する。
といった意味ですね。
水着キサキとのつながり
キサキはご存じのとおり、山海経のトップである玄龍門の門主です。普段は組織の代表として、一歩引いた場所から全体を見ているような人物ですね。
先生に対しても、ぐいぐい距離を詰めるタイプというより、落ち着いた距離感を保ちながら、しっかり関係性を持っている印象があります。今回のイベントでは、ルミやシュンに対抗して、結構ぐいぐい来てましたが。
その意味では、「水のように淡いが、長く続く関係」という言葉は、キサキの立ち位置に合っていますね。
さらに、今回の水着イベントのストーリー。キサキは、いつもの山海経トップとしての姿から少し離れ、渓谷でのバカンスに来ています。
いつもは門主として気を張っているキサキが、自然の中で少し力を抜く。そう考えると、世間のしがらみから離れ、自然体であることを重んじる『荘子』のイメージとも、どこか重なって見えます。
まあ、結局バカンス先でどたばたに巻き込まれてしまいましたけどね・・・
通常キサキ:「黒君は遠き慮り有りて」
次に、通常キサキのピックアップ募集名、「黒君は遠き慮り有りて」。
こちらも、中国古典が元ネタ候補として考えられます。有力なのは、『春秋左氏伝』にある、「君子は遠き慮り有り、小人は近きに従う」という言葉。
原文では 「君子有遠慮、小人從邇」と書かれます。こちらも君子と小人の対比ですね。
- 意味としては、立派な人物は遠い先まで考え、目先のことだけに流されない。
- 一方で、器量の小さい人物は、近いもの、目先のことに従ってしまう
『春秋左氏伝』とは?
『春秋左氏伝』は、中国の古典です。
『春秋左氏伝』は、魯の国の出来事を年代順に簡潔に記した歴史書『春秋』に、事件の背景や人物の言動などを詳しく加えた注釈・歴史書です。歴史上の出来事や人物の判断、政治的なやり取りが詳しく描かれており、それ自体が重要な歴史書として扱われています。
三国志の関羽の愛読書として知られており、ほぼ暗唱できるほどだったとか。
「黒君」はキサキ用の造語?
通常キサキの募集名にある「黒君」という言葉。
なぜ「黒君」なのか。
ひとつは、キサキのイメージカラーである黒。もうひとつは、キサキが門主を務める玄龍門の「玄」です。
日常ではあまり使いませんが、「玄」は、黒や暗い色、奥深いものを表す漢字でもあります。
黒君は、キサキのイメージカラーと、玄龍門トップのダブルミーニングを狙ってつけられたのでしょうね。
通常キサキとのつながり
通常キサキの(実装時期の)ストーリーでは、山海経がこれまで閉じていた外との関係を、少しずつ変えていく流れが描かれていました。
従来の山海経は、他校との関わりを最低限にした閉鎖的な環境。しかしキサキの代では、外の文化を取り入れ、新しい流れを作ろうとしていました。
保守派からの反発もありながらも、それでも、目先の混乱だけを見て止まるのではなく、山海経の未来を見据えて動く。この姿勢は、まさに「君子は遠き慮り有り」という言葉と重なります。
性能面でも「遠き慮り」だった?
ちなみに、通常キサキは性能面でもかなり強力なキャラクター。実装後、長い期間トップ層で採用され続け、結果的に 「引いておいてよかった」 と感じた先生も多かったはずです。
そう考えると、「遠き慮り有りて」という募集名は、
「遠い先まで見据えるなら、キサキは確保しておくべし」
という意味にも見えてきますね。
まとめ:キサキの募集名は、どちらも「立派な人物」の言葉
通常キサキと水着キサキの募集名は、どちらも中国古典モチーフの可能性が高い、という話でした。
| キャラ | ピックアップ募集名 | 元ネタ候補 |
|---|---|---|
| キサキ | 黒君は遠き慮り有りて | 『春秋左氏伝』「君子有遠慮、小人從邇」 |
| キサキ(水着) | 淡きこと水のごとし | 『荘子』「君子之交淡若水」 |
通常キサキは、山海経の未来を見据える「遠き慮り」。水着キサキは、利害や肩書きに縛られすぎない「水のように淡い関係」。
どちらも、ただ偉いだけではない、キサキの落ち着いた器量を表す言葉に感じられます。
ちなみに、通常キサキでは「君子」が「黒君」に置き換えられていますが、水着キサキでは、あえて「君子」を外して「淡きこと水のごとし」だけ。深読みすれば、「門主の身分を隠してバカンスへ」というイベントストーリーともリンクしている、とも受け取れますね。
通常キサキは、「遠き慮り有りて」な性能でしたが、水着キサキは、「淡き水のように長く続く」性能になれるのか、先生たちの実力の見せどころでしょうか。
参考資料
- 『荘子』山木篇「君子之交淡若水」
- 『春秋左氏伝』襄公二十八年「君子有遠慮、小人從邇」
- 『三国志』関羽伝 裴松之注『江表伝』関連資料
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